リスクマネジメント

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治療中のリスク管理は大丈夫?

関節リウマチは関節に炎症が起こり、治療をしないと関節破壊をきたす病気ですが、関節以外の他の多くの臓器にも影響を及ぼす病気であることを忘れてはいけません。
とくに、発症後や治療中に注意しなければならないのが関節外合併症や感染症です。
また、炎症が続くことで生じる合併症の対策、栄養管理、治療薬の影響による副作用を十分に鑑みる必要があります。
合併症を早期に発見するためには、定期的な診察を行ない、ちょっとした症状の変化を見逃さないことが大切です。
経験豊富なリウマチ専門医の診察する当院では、リウマチ治療におけるリスクマネジメントを重視し、リウマチの患者さんの全身的な合併症への評価・ケアを行っています。

関節以外の気をつけるべき症状


日本予防医学協会HPより

全身症状

  • 38度以上の発熱
  • 体重減少
  • つかれやすさ

局所症状

  • 眼の充血、痛み
  • 皮膚の斑点、結節(しこり)
  • 皮膚の潰瘍や壊死
  • 便潜血陽性
  • 胸痛、呼吸の苦しさ
  • 手足のしびれ
  • リンパ節の腫れ

関節以外の症状が認められる患者さんの中でも、難治性であったり重篤な場合(=悪性関節リウマチ)は、近隣の専門病院や大学病院との連携による万全の体制で治療に当たります。

呼吸器の病変「リウマチ肺」

関節以外の症状で多いのが、「呼吸器のリウマチ」です。から咳や呼吸困難感を伴う間質性肺炎は、リウマチ治療前に評価を終わらせておくべきです。
また、関節リウマチの方には「気管支炎」を合併することが多いです。慢性炎症性気道病変ともいいますが、風邪をひきやすい、風邪をひくと治りにくいなどの症状がある方は、一度専門医に相談する必要があります。また、リウマチ治療の中心である抗リウマチ薬(免疫抑制薬や生物学的製剤)は、肺炎などの感染症をおこしやすいです。
定期的な呼吸器の合併症、副作用のチェックが重要です。

治療薬の副作用について検査していますか?

関節リウマチ治療に用いる抗リウマチ薬や生物学的製剤は、免疫機能を抑える働きがあるため、どの薬でも、その副作用として感染症のリスクが高まります。B型肝炎ウイルスを持っている患者さん(HBV既往感染)においては、免疫力の低下により内在していた肝炎ウイルスが再活性化する恐れがあるため、治療前と治療中の検査が重要です。
生物学的製剤のおもな感染症のリスクとしては、肺炎、結核、敗血症や日和見感染症が挙げられ、また、発熱、発疹、かゆみなどのアレルギー症状が出ることもあります。

従来型の抗リウマチ薬では、胃腸障害、腎障害、肝機能障害、口内炎などの副作用リスクがあり、近年では、メトトレキサートを長期間続けている高齢者の方に悪性リンパ腫発症のリスクがあることも分かってきていますので、治療中は定期的なチェックが大切です。

長期の治療には、栄養管理が必須です

関節リウマチの炎症が続くと、腎障害、骨粗鬆症、貧血といった症状が起こりやすくなります。腎障害は鎮痛剤の長期投与などの薬剤性のほかに、炎症によって増加するアミロイド蛋白の影響で、骨粗鬆症はステロイドの副作用として生じる場合もあります。
さらに、慢性的な炎症による貧血が見られることがあります。また、関節リウマチを発症しますと動脈硬化のリスクが高まります。したがって、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを減らすために、LDLコレステロールや中性脂肪のコントロール、糖尿病の有無のチェックや血圧のコントロールが重要になります。鎮痛剤やステロイドの漫然とした長期投与もこれらのリスクを高めます。

炎症が続くと体のエネルギーが奪われ、栄養不足を招く恐れがあります。当院では患者さんの栄養面のケアを重点的に行ない、合併症のリスクに備えています。

新横浜山前クリニック

所在地:〒222-0033
横浜市港北区新横浜3-20-3 リバサイドビル4階

休診日:木曜、土曜午後、日曜、祝日
※聖マリアンナ医科大学
 横浜市西部病院リウマチ内科外来(要予約)